■一般論としてですが、まったく山歩きなどしていない人が最初に「登山」をしようというときには、私は登山用品店に走り込むことをすすめません。その理由はいくつもあるので個々に書くつもりですが、ザックだけは、登山用品店で買ってもらわないとあとでがっかりするかもしれない品目です。
■ただし初体験の方にはザックというよりデイパック、しかもその最大級の「30リットル」をすすめます。登山用品店で「30リットル」(あるいは25リットル)と明記されたデイパックがあったら、(価格にかかわらず)それを買ってもらいたいのです。それだと荷物を入れて担いだときに、ベルトの長さをきちんと調節することができます。
■街歩き用のデイパックは、荷物をある程度入れると、とたんにそういう個々の機能が破綻するかもしれないので「登山用デイパック」で、と強調しておきたいのです。ちなみに高校生たちが長いベルトで背負っているスタイルは登山ではノーで、ベルトを一番短い状態から少しずつ長くしていってジャストフィットするポイントを探るのが基本ですが、それは「ザック」のところで。
■ちなみに、2年目あたりから山小屋泊まりに行くようになると「50リットル」級のザックが必要になります。たとえば北アルプスの稜線を歩こうという目標が見えてきたら、そのときをめざして「50リットル級ザック」で「10kgを背負って」「10時間行動する」という具体的な目標を立てるとからだが目標に近づいていく効果的なトレーニングになっていきます。ただ、一般的には「50リットル級」を重量級の入口とすると、その手前、「軽量級の大型」に「40リットル級」というのを置いている場合があるので、その境界をじっくり見ていくとメーカーごとの工夫が見えてきたりします。